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ブリタニカ草稿(最終稿)第4節 [読解シリーズ]

【形相的還元】

○経験は、事実性から本質(形相)へ普遍的に移行できる

○事実・経験を一例として、それを叩き台に、自由にそれを想像により変更していく

○理論的なまなざしが、その中の不変のものに目を向けると、アプリオリな領域が現れる

○すると、必然的な「本質」が浮かび上がり、全ての人を貫いている「本質」を観て取ることができる

○物体知覚の現象学とは、一つの事例的な知覚についての報告ではなく、それなしには物体の知覚が考えられないような「不変な知覚の構造体系」を明らかにすることである

例えば、「音の知覚」の「本質」を取得するとは、ありとあらゆる「音の知覚の例」を遂行、想像(変化)し、その中のどれにも共通する不変的な構造を洞察することである。それを言語により確定すると、その記述はどの「音の知覚」にも当てはまるはずである。

○現象学的還元が、内的経験という「現象」への通路を作り出すとすれば、現象学的還元に基礎づけられた「形相的還元」は、心理的領野の不変な本質形態への通路を作り出す

現象学的還元(超越論的還元)は、超越物をエポケーして、一切を主観内の超越論的な構造をもつ「現象」として扱うことである。

形相的還元は、現象の中の個別の事実性(各事例)から、共通する本質を観て取る、共通する本質へ還元する、ことである。
「事実から本質へ」が形相的還元(あるいは本質直観)である。
それにより、事例的なものでなく、普遍的な考察が可能になる。


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