不完全性定理の補足 [論理学]
ゲーデルの不完全性定理は大枠で次のように結論づけられると思われる。
数学の基礎づけとして、ヒルベルトにより「形式主義による基礎づけ」が提唱されたが、それはゲーデルの不完全性定理により退けられた。つまり、「形式化」による「数学の無矛盾性の証明」は不完全性定理により矛盾が露呈された。
ゲーデルが証明したのは、一般に語られがちな「数学の敗北(矛盾)」ではなく、「数学の基礎づけとしての形式主義の敗北(矛盾)」である。一つの立場である形式主義に限界があることを証明したということである。
ゲーデルはそのことをよく理解していた、というより彼の論は「形式主義の限界」を目的にしていたようである。「形式主義の限界の指摘」がいつの間にか「数学(の基礎づけ)の矛盾の指摘」のような話になっていった(面がある)、ということである。
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